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SONY NX5J、NX3、NX5Rを10年使った色々な話

SONYにはNX5Rとその以前の機種、NX5J、NX3というプロ用ビデオカメラがあります。このシリーズは、動画・ビデオ制作用として「使える」カメラの定番として、ジャンル問わず幅広く使われています。これより安いカメラは何らか操作性に制約があることが多いですからね。

一方、民生機ベースゆえの制約、上位のXDCAMシリーズとの棲み分けのための制約もあり、使いこなせないカメラマンを何人も見てきました。ベースになった民生機AX2000から10年使った色々、書いてみましょう!

思った事があるたびに、追記予定!

もくじ

3つのカメラ

詳しくは、専門サイトに譲るとして、カメラの特徴

NX5J

2010年発売。以前のHDVテープだったZ5Jの操作系を受け継いで、AVCHDフォーマットの業務用機として、発売。

当時はまだ大容量SDカードが高価かつ低速、また信頼性に疑問を持つ人も多かったので、外部メモリーユニット128GBが純正オプションに用意された(SDHC Class10 32GBをいっぱいにするとコピーに20分とか)。

タイムコード入力、SDI OUTなど、使い勝手は良い。使い道がいまいちわからなかったGPS機能も付いていた(室内で使うことが多かったから受信していた記憶なし・・・)。

一方、撮像センサーはFULL HDとはならず、現代からすると、高感度は厳しい。

多くのレンタルカメラ会社で大量導入されて、最も借りやすいカメラなので、繁忙期にはよくお世話になった。近年は次第にNX5Rへ代替が進んでいるように感じます。

民生版AX2000

ベースになった民生機。ほとんど同じ操作系。NX5Jとの違いは、外部メモリー使えない、SDI・タイムコードIN/OUTなし。機能的にはプロじゃなきゃ使わなさそうな詳細設定が省かれている。ケチな私の職場ではNX5Jは高いと判断されて、こちらを購入。7年活躍した。

NX3

2014年に発売。撮像センサーがFULL HDになり、レンズもわずかに広角側になった。発売後のファームウェアアップでXAVC S記録にも対応した・・・けれどNX5Jの後継機ではなく、下位機種。価格も安い(当時の実勢価格からすれば少し安いくらい)。このシリーズでは、初めてACアダプタが付属品になる。

SDI OUTとTC I/O、外部メモリーが省かれて下位機種扱いだけれど、LEDライトが付いたり使い勝手は良くなっていたり色々。他社機への対抗と、NX5Rへの方向性を探るためのテスト機だったかもしれません。

撮像センサーの発色はかなり良くなり、GAIN入れた時のノイズも大幅に改善したので、レンタルでは愛用中。この機種からはベースの民生機は発売なし。

NX5R

現行型。正式にNX5Jの後継機。

基本的にはNX3と同じ感じで、ブラッシュアップが図られている。その他細かく操作系の変更あり。しかも定価がNX3より2,000円高いだけ!

NX5Jと比べて、外部メモリーユニットは高速・大容量SDカードの普及で役割を終えて廃止。TC I/Oは省かれた。新たにアクセサリーシューがMIシューに変わって、対応のワイヤレスマイク受信機から音声入力が可能になりました(需要はどれくらいあるんだろう??)。

以前の機種より、バッテリーの減りがやや早い。

違いをまとめた表

使うと影響がある、機能差の一覧。個人的によく知っているところだけ。

NX5JNX3NX5R
撮像センサーHD
1/3″
104万画素
3CMOS
FULL HD
1/3″
207万画素
3CMOS
FULL HD
1/2.8″
207万画素
3CMOS
デジタルズームデジタルズーム
デジタルエクステンダー
全画素超解像ズーム全画素超解像ズーム
HD画質記録モードAVCHDAVCHD
XAVC S 50M
(Ver.2.0から)
AVCHD
XAVC S 50M
SD画質記録モードMPEG-2
最大9Mbps
DVD-Video互換
DVCAMDVCAM
記録メディアスロットA/BともにSDカードまたはMemoryStick PRO Duo
外部メモリーユニット
スロットAはSDカードまたはMemoryStick PRO Duo
スロットBはSDカードのみ
スロットAはSDカードまたはMemoryStick PRO Duo
スロットBはSDカードのみ
映像OUTSDI
HDMI
アナログ(PIN)
ミニD端子
HDMI
アナログ(BNC)
SDI
HDMI
アナログ(BNC)
タイムコードIN/OUTあり端子なし端子なし
音声選択スイッチXLR
INTマイク
XLR
INTマイク
XLR
MIシュー
INTマイク
(CH1モノラル記録にしたい時はMENUから設定)
AC電源バッテリと排他使用バッテリーと同時OK(ACアダプタが付属)バッテリーと同時OK(ACアダプタが付属)
バッテリ残量表示時間(〇〇○分)
LEDライトなしあり
(調光できない)
あり
(調光できる、デフューザー付属する)
液晶モニタ3.2インチ
92万画素
3.5インチ
92万画素
3.5インチ
156万画素
液晶モニタとEVFの関係自動切替、または同時ON自動切替のみ(液晶を開くとEVFは消える設定のみ)アイセンサーによる自動、もしくは液晶ON固定
三脚ネジ前1/4″(細)
後1/4″(細)
前1/4″(細)
後1/4″(細)
前1/4″(細)
後3/8″(太)
カメラプロファイルなしありあり
リセットボタンを押した時のピクチャープロファイル(PP)PPはリセットされない(PPは個別にリセットする)PPは、リセットされるPPは、リセットされる
カメラプロファイルとPPの関係カメラプロファイルがないPPのパラメーターが読み込まれるが、PP設定は変わらないPPのパラメーターが読み込まれ、保存時のPPに設定される
GPSありなしなし
Wi-Fi・NFCなしありあり
USTREAM配信なども可
発売時の定価580,000円378,000円380,000円

こんな感じです。

カメラの使いこなし

カメラマンとして生きるなら、ダサい失敗はありえない筈なんですが、世の中いろいろな人がいるわけでして・・・。以下、個人的なメモ。

4つの表示と4つのボタン

SONYの民生機ベースカメラ共通の話でもありますが、画面下に表示されるアイリス、ゲイン、シャッター、ホワイトバランスの表示とそれに対応するボタンの使い方は基本中の基本。コレを分かっていなくて、失敗する人は何人も見た。NX系カメラは、液晶に表示されていない項目はオートまたはデフォルト動作。

なので、IRIS、GAIN、シャッターの全てがマニュアルにならないと、マニュアル露出は成立しません。例えばGAIN AUTOになると、IRIS絞ってもAUTO GAINによって、GAINが上がって暗くならない。こんなダサい失敗、まれにやらかす人居る。

ホワイトバランスも同じ。表示なし=AWBとなります。コレも理解してないと、ホワイトバランス取る時に、ホワイトバランスボタン間違えて押してAWB ON。白は取れたように見えるけど、以後色が変わるダサい失敗。コレも稀に居る。

古くはDVテープ時代の機種からこのインターフェイスなのに、ベテランで未だ失敗する人・理解できてない人居るのはなんでなんですかね?

↑NX5系の液晶はコーティングが剥がれやすいので、保護シートはおすすめ

ピント問題

外注のカメラマンさん見ているとNX5系カメラのピント合わせは、

  • フルMF
  • プッシュオート
  • AF

に分かれます。このカメラ最大の問題はピントが合わせやすくないことだと思います。フォーカスリングの精度が急な上に、液晶でピントの山が見にくい。ズーム位置によってフォーカスの分解能も違う。AF使うと人物の後ろにピントが抜けやすい。

それ故、カメラマン毎に好みがあるんですが、ダメカメラマンに当たるときつい。僕はプッシュオートとAF派ですね。

NX5Rになると、顔認識が使えるようになって、顔認識プッシュオートを巧みに使うカメラマンも見ましたね(上手い人は使いこなしも上手い)。

鬼門のアサインボタンとS&Qボタン

この問題は自分専用カメラの人には無縁だけど、NX系カメラには設定が自由に当てられるアサインボタンがある。標準でゼブラとか割り当てて、プリントされているけど、あんまり使わなさそうなやつはカラーバーとかに変えていることが多い。

フリーでやっている方だと、設定を確認する癖があるみたいだが、ここで鬼門はNX3とNX5R。NX5Jでアサインボタンだった1つがS&Qボタンに固定されている為に、間違えて押してしまう。もう一回押せば復帰しますが、TC FREE RUNで使っていると、TC REC RUNに変わってしまう。

いやー、よくわからないけど、TC止まってましたー

とか言われた日は、ほぼコレが原因です。

ところでこのS&Q、活用してる方は居るんですかね?

個体差の話

このNX系カメラは基本的に民生機ベースということで、個体差についてはある程度目をつむってコストダウンを図っている(らしい)ですが、複数台同時に使うと色々起こる。

  • 色味が揃わない
  • 液晶モニタがなんか違う
  • ホワイトバランスとると、数値が揃わない
  • ズーム&フォーカスリングの重さが合わない、気に入らない

とか。そういうものだと思って使うしかないと思いますが、

3台でホワイトバランスの数値が揃わないんで、プリセットにしましたー!

とか、現れるので困ったもんです。
NX3 3台並べてホワイトバランス3000K〜5000Kあたりで300くらい差があるのはよくあります(レンタルでたくさん借りたときは、個体差の少ない組み合わせでカメラマンに渡している)。

バッテリー残量の話

NX系カメラで使いにくい点の1つにバッテリー残量表示を鵜呑みに出来ないところでしょうか?

NX5Jは、インフォリチウムシステムによってバッテリー残量が時間で表示されます。しかし、純正NP-F970使って満タン350分とか出ますが実際は3,4時間くらい(180〜240分)使えるくらいと、現実と乖離しています。さらにタチ悪いのは残量100分くらいまでは正確に残量減って、いきなり「バッテリーを交換してください」とアラートが出る。バッテリー劣化するとこれが残量200分からいきなりバッテリー切れになる。

さすがにコレは苦情が多かったのか、NX3、NX5Rでは%表示に変わりました。しかし、バッテリー劣化すると不正確になるのは変わらず、残量50%から電池切れは起こります。

いきなりバッテリーなくなったんですけれど!

という方は、自分の身を守れていませんね。経験上NX5Rで残量50%までに2時間くらい収録可能ではあります。
ただ、カメラを用意する側としても定期的なチェックは必要だと思います。

そうそう、ついでに純正の充電器って使用可能時間出ますけれど、あれって何(機種?)の時間なんですかね??7時間とかでますけれど。

カメラの設定が保存されるとき

NX5系カメラの理解できない仕様の一つだと思っていますが、カメラの設定が本体メモリーに登録されるのは「電源を切ったとき」なのです。よって、電源OFFの前に間違えてバッテリー外すと、メニュー設定とかホワイトバランスとかが前回の状態に戻ります。

しかし、コレが厄介なのは特にNX3は電源が切れたタイミングがわかりにくい。電源OFFにしたときの様子は下の通り。

NX5J・・・液晶が消えたあと、1秒後くらいでOFF。SDカードスロットのアクセスランプが消えればOK。ただ、バッテリーとACアダプタが排他使用なので、電源入れたままバッテリー外してしまう可能性は他のカメラより高い(バッテリーで白とり等セットアップ済ませて、ACアダプタに変える時とか)。

NX3・・・液晶モニタが消えたあと、5秒後くらいでOFF。SDカードのアクセスランプがしばらく点滅する。液晶モニタしか見ずにバッテリー外すと、失敗する可能性大。このランプ見難い。

NX5R・・・電源スイッチの横に、POWERランプが付いたので、コレが消えれば大丈夫。NX3で設定が消える苦情が多かったから電源ランプが付いたのかもしれません。

テレビ系とかで長くやっているカメラマンだと、電源OFFにした時に設定が狂うのを嫌って、電源OFFにしたがらない方が居ますでの、そういう方のほうが要注意。自分用にカメラ設定して、ホワイトバランスとったあとで、一旦電源OFFが安全です。

三脚のネジ穴の話

三脚用のネジ穴は、NX5J・NX3は1/4″ネジにピン穴という一般的なビデオカメラ+レンズ側にもう1本1/4″という仕様。

これで特に問題ないと思っていたところに、NX5Rになると、レンズ側から1/4″ーピンー3/8″という太ネジに変更された。理由はよくわからないけれど、重たいアクセサリー乗せたら、カメラが三脚から落ちたとか苦情でもあったのでしょうかね??(怖っっ!)

この仕様、正直不満。1/4″ネジのフネとかアクセサリーの一部は、反対向きにしか取り付けられず、使えない。自分の場合はレンズ側の1/4″でVintenのプレート付けると相性悪くてズレやすい。仕方なく3/8″ネジを追加している。

Vinten純正3/8″ネジ高いよ・・・

ある時、いつもと違うレンタル屋さんで借りたら、1/4″変換ネジを入れてくれているところがあった。なるほどね。↓こんなやつ。使用は自己責任にて。寸法的にはエツミの薄型(5mm)にしないと、底面から出っ張ります。

SDデュアルスロットの罠?

罠ってほどでもないですが、SDカード2枚差しすると、現在の記録スロットがA/Bどちらであるか、気にしていなければならない。

今日の撮影SDカードはこれですー

って、本番終わったあとにSDカードもらって、PCにデータコピーしようとすると、SDカードが空ってのがたまにある。一度も再生プレビューせずに渡して来るのもどうかとは思いますけれど。。

コレが起きる原因は、SDカード2枚差して電源入れると、スロットAから立ち上がらずにスロットBが記録先になって起動する事がある。原因・理由は不明。今度試してみましょう。

↑ProGrade Gold SDカードはNX5Rにはオーバースペックですが、256GB使えました(AVCHDで1400分とか出ますけど)。

SDデュアルスロットの罠?(2)カードがいっぱいになった時

NX5系のカメラはデュアルスロットなので、リレー記録に設定すれば2枚のSDカードに連続で記録できます。NX5Jの頃は静かにカードが切り替わる設計になっていました。
しかしNX5Rになったら、カードが切り替わった瞬間に画面を埋め尽くすように

動画用メモリーカード領域がいっぱいです
動画の記録はできません

って、デカデカと表示されるようになりました。Aスロットの領域がいっぱいになったお知らせでBスロットで撮影継続中なのです。しかしこの表示、本番中の頭にはストレートに入って来ず、

ヤバい、動画の記録ができないとか、カメラトラブってる!!!

って見えて、反射的にRECボタン押してしまい、RECが外れてトラブルになります。しかもコレ、タチが悪いことに、記録先をいっぱいになった記録スロットから変えないとREC入れる度にデカデカと表示され、トラブルの勘違いから抜け出せなくなってる人も居ましたね。

そんな失敗、あるんかい??(~_~メ)

って、思ってテストしてみたら、自分も反射的にREC押してました(-_-) 仕事で使う機材のことは隅々まで知ってないといけませんね。

ガンマイクの太さは??

NX5系カメラのガンマイクホルダーは、なぜか太いマイク前提の設計で、直径20mmくらいのマイクだとブカブカで取り付けられない。。SONY純正の安いガンマイクだとスペーサーが付属品で付いていますが、好みのものを使いたい人は部品でスペーサーだけ入手する必要があります。
https://www.fujiya-camera.co.jp/shop/g/g200000028920/
↑こんなやつ
ところで、スペーサーなしだと、どんなマイク用なんですかね??

NX5R生産完了で後継機はどうするか?問題

2020年、NX5Rは生産完了になりました。割とスタンダードに使われたカメラでありながら後継機にが出ないままとなりました。4Kカメラへ移行すればよいだけですが、同等機種はなく価格が近いものはPXW-Z150(1インチセンサーになるけど、ズームも操作性も下がる)、操作性を求めればPXW-Z190(20万円高+バッテリー類互換性なし)でしょうか。

SONY以外ですとPanasonic CX350、キヤノン XF605等でしょうか。やはり4Kでまともなセンサー感度にしようとすると、1インチセンサーは必須のようで、各社製品方向性は悩ましいところかもしれません。必要な個人的な見解だけ書いておきましょう。

SONY PXW-Z190

1/3インチセンサーで機動性重視であればコレ一択でしょうか。一回使いましたが、良いカメラです。

  • フォーカスリングが目盛り付き(切替が必要だが)目測MFできる
  • ズーム位置関係なく、フォーカスの分解度一定
  • ズーム25倍でかなり寄れる
  • 絵作りはナチュラル系
  • SDI/HDMI同時出力可
  • XAVC-Lで、記録フレームレートの選択肢が多い
  • ピーキングが、シャープとカラーの選択ができる
  • 4Kも使える

問題点は、高価、一回りデカくて重い、バッテリー減りが早い。あと4Kセンサーの弊害か画が暗くて眠いって言う意見も聞きます。多機能&使い方色々なので、頭固い人は苦労すると思う。ビデオ初心者が勢いに任せて買うのはあまりおすすめしません(設定項目多すぎて、難しすぎる)。

Panasonic AG-CX350

CX350はNX5Rからの買い換え候補としては、検討しても良いと思います。パナソニックの4Kシリーズは3世代目ですが、ここでやっと使いやすいカメラが登場しました。ただしSONY愛好家とは分かり合えない要素は多々ありますので、一度レンタル等で試してからをお勧めします。私の会社では2台導入して使っています。以下感想。

  • ズームレンズは広角寄りになっているので、狭い場所での撮影は快適
  • センサー感度は十分ある
  • 色はやはり違うのでSONY的に使いたいならば、要研究
  • 1インチセンサーになる分、フォーカスはシビアです。フォーカスマクロは設定が必要
  • センサー大きくなるので、被写界深度の感覚はだいぶ変わる。NX5Rと同じ感覚で使うと深度不足になること多い
  • 手動ズームのレスポンスはかなり悪い。NX5Rと同じ感覚では使えない。スロー動作はではカクカクする。逆にサーボは超スロー動作も可能でユースフル
  • バッテリは十分使える
  • 4K、HD共に画質設定は多数あるので、用途に合わせて使える反面、使いこなしは大変
  • 設定メニューはクソ分かり難い(パナ伝統のメニュー仕分けのまま多機能化したせいで意味不明に)
  • SONYより細かく設定できる部分と、何も出来ない部分が入り乱れて、混乱する

Canon XF605

3リング操作系のカメラとして気になる1台、使う機会がないか伺っています。レンズ的には15倍ズームで望遠側がだいぶ弱くなりますので、NX5R後継機として使えるかは人による、というところでしょうか。

結果、今後はどうする??

・・・しかし、レンタル店からNX5Rが大量放出されたり、レンタル価格が値引きされたりしているところを見ると、スタンダードだと思ってたこのカメラも時代の変わり目になっているのかもしれません。いま新たに動画始めた人は抵抗なくα7s IIIとか一眼ムービー使うんでしょうから、年々NX5Rみたいなカメラ使う人は居なくなるんでしょうね。。

↑こんなカメラじゃ撮れませんから!!

なんて言ってたら、数年後には若い子に駆逐されていくのかもしれません。。我が社も後継機はどうしますかねー。

NXシリーズのライバル機Panasonic AG-AC160の話

NX5Jの発売から遅れること1年、NX5Jを意識して発売されたカメラがPanasonicのAC160とAC130(と、そのマイナーチェンジ版AC160AとAC130A)。P2カードを使う上級機HPX250と同じ外装と撮像系のAVCHD機として登場しました(画質や内部ソフトは随分違います)。人気度はかなり差がありますが、どんなカメラかといいますと、次のような感じです。

  • FULL HDセンサー、画質はあっさり系。若干シャープ強め
  • 外装は一回りくらい大きいが、重さはあまり変わらない
  • レンズは、少し広角。ズームはメカニカル式でフリーにもできるが、サーボは遅い
  • フォーカスはズーム位置関係なく、同じ分解能
  • 液晶画面のピントは見やすい
  • 設定画面のデザインは超ダサい(字が大きくて見やすいとも言えるが)
  • バッテリーはSONYより動作時間短くて、高価。残時間はバッテリー劣化しても正確(だんだん、フル充電後の残時間が減っていく…)
  • SDI OUTとHDMI OUTとアナログOUTが同時出力可(SDI OUTがあるAC160のみ。EVFと液晶の同時ONが出来なくなる)
  • 細かい設定は、SONYのほうが自由度がある
  • カメラの設定・ホワイトバランスは随時本体メモリに保存される(間違えてバッテリー外しても消えない)
  • AVCHDのファイルは4GBごとに分割される(SONYは2GB)

Panasonicはこのカメラの後はDVX200をはじめ4K機にシフトして、NX5Rと同等のFULL HD機は発売されていませんね。

三脚の話

NX5Rとかと組み合わせて使うには最適な三脚の話。自分が使ったことがあるやつだけお話ししてみます。

Libec LS-55DV

昔話ですが、DVテープだった時代はVX2000、DVX100とかが主力カメラで、三脚はこれ。雲台はスムーズとは言えず、脚フニャフニャ。でも当時はこんなもんしかなかった。SachtlerのDV2とか、VintenのPro6HDVFとかあったけれど、今のVisionblue思えば使い勝手はいまいち。お金あるところはもっと良いの使ってたけれどね。

んで、HDの時代が到来してこいつにNX5JとかAX2000とかのせるんですけれど、耐荷重が明らかに不足で使いにくい。

ちなみにこの三脚、チルトロックのレバーが曲がりやすい。純正ケースに入れて運搬中でも倒したり落としたりして、曲がる。曲がるとロックが掛けにくくなるけれど、ロックはするので、レンタルで借りても曲がってるやつが多い(メーカの説明によるとわざとそういう設計だとか??)。

Libec RS-250

上のLS-55のイメージで、Libecといえば、安かろう悪かろうなイメージが多くのカメラマンの間であったところに、発売されたのがコレ。今までのLibecのイメージをひっくり返して格段に使いやすくなった。発売されてしばらくの間は、

この三脚、イイっすね!!

って、使ってもらったカメラマンからよく聞いた。

ドラッグが2段階しかないけど、完全バランスが取れるメリットは大きい。脚の剛性もかなり上がって良い。真夏の屋外はVintenよりスムーズに感じます。

付属ケースは、三脚マットになるアイデア物。でも、使い方よく分かってない人は、ハンドストラップを逆巻きにして、ストラップが千切れる。
価格考えればNX5系カメラにいちばん良いと思います。

Vinten Vision Blue

RS-250と同時期にVintenから発売された三脚。以前の旧Vision6と同じような外装と使い勝手で、値段は12万円くらいと革命的な存在だった。職場のメイン三脚なになったので、一番使用機会多いです。

完全バランスが取れて、ドラッグダイヤルの自由度も高い。もちろん動きはスムーズ。コレ使ってガタガタな撮影しか出来ない人はカメラマンやめた方がいい。

問題は、温度の影響を受けやすい。寒いと硬過ぎるし、35℃とか真夏の屋外ではゆるすぎる。使っていると年々ドラッグの効きが弱くなって、オーバーホールが必要になる。費用は新品雲台買えるぐらい高いので、実質使い捨て雲台なのはいただけない(オーバーホール10万、新品雲台8万ならどうしますか?)。

2018年頃、Flowtechという脚部がカーボンモノコックの新型にリニューアル、大幅値上げとなったので、買いにくくなったのは残念(・・・と思ったら、高騰が進み過ぎたせいか?、在来ポジロック脚タイプが復活)。

耐荷重的にはNX5R+ガンマイクくらいまでは余裕ですが、液晶モニタ・ワイコン・ワイヤレスチューナー等重たいアクセサリ使う機会が多い方は耐荷重が大きいVision Blue 3以上をおすすめ。

Sachtler FSB6とFSB8

SachtlerはVintenとかの油圧ではなくて、ギアメカニズムよってドラッグを発生させる雲台。ドラッグダイヤルを回した時の「カチ、カチ」って入る感じは、精密機械って感じでいいものです。

NX5系カメラには、FSB6がピッタリで、FSB8だとNX5R単体使用ではカウンターバランス取りにくい(重たい周辺機器と組み合わせる方用)。

たまにレンタルで使いましすが、パーンの途中はとても良いが、止める時の扱いはVintenとは違う。ギア式メカニズムは、パーンとチルトの重さが揃うので斜めパーンはスムーズです。

構造上、カウンターバランスも多段のダイヤルで、Vintenのような完全バランスにはならない。ドラッグと組み合わせで良い塩梅を見つけるしかないのは、デメリットと思います。良いバランスにならない時は、撮影中にパン棒から手が離せないので、撮影ジャンルによっては嫌われます。

以前のセット脚は、細くて頼りない見た目ですが、問題なく頑丈で、畳んでもスリムなので、優れものです(現在はVintenと同じくFlowtechとの組み合わせに変わりました)。

おまけ:VintenとSachtlerどっちが良い問題

SachtlerかVintenか、どちらが良いか論争はよく聞く話。統括すると「カメラマンになって初めて使った方を良い」と言うが、ザハトラー派の方が上に感じているようだ(新品価格も高いしね)。

個人的な感想では、動かしたり止めたりする機会か多い場合はVinten(よってスポーツ・報道系)、パーンとか動かしている途中が大事な場合はザハトラーになる(よってドラマ、VPなど制作系)。

まぁ、お互い良し悪しの関係が逆なので、同じVITECグループの傘下になった今も共存できるのだと思います。

マンフロット

興味あるんですが、今のところ使ったことないんですね。。
ナイトロテック雲台とか触ってみたいです。

自立一脚

Libec HFMP使ってますが、狭い場所ではおすすめですよ。撮影の幅広がります。今まで脚欲しくても手持ちだった所で使えます。三脚より機動力も上がります。雲台はしょぼいので、他のものにアップグレードしても良いかもしれません。

欠点は、横揺れは避けられないので、ズームが大きくなるとブレやすくなります。現行型はベース部分の回転ロックが付いたTH-Mに変わりました(いいなぁ・・・)。

他に、良い三脚・雲台ご存知の方居ましたら、教えて下さい。

ケースの話

カメラを外で使うなら、運搬が必要。良いケースとは?見たことがあるやつの感想。

SONY LCS-G1BP(販売終了)

NX5Jが売っていた頃にはあった純正ケース。職場でも使用中。流石に純正だけあってカメラにはピッタリ。純正アクセサリー類もぴったり収まる。良かったけれど、生産中止になったのはなんでなんですかね??
箱型で、2,3個重ねても大丈夫なくらい丈夫なので、運搬も楽々です。

難点はストラップのアジャスターが貧弱ですぐ最大長になる(なので、安全ピンで固定している)、持ち手の革が経年劣化でボロボロになるくらい。

左の蓋に2連充電器、その隣のスペースにバッテリー2個入ります

sachtler Dr. Bag 4 (SC004)

以前のブランドPetrol時代のものが職場にある。普段は他のカメラを入れているが・・・。ケース自体は丈夫で安心できます。中にあるLEDライトは、暗い現場でも便利です(自社保有カメラだと、手探りでなんとかなりますけどね)。

工具鞄スタイルのケースは、狭い場所でも開けやすいことと、倒して中身をぶちまける心配がすくないことでしょうか。出し入れのしやすさはまぁまぁだと思います。上に重ねることは難しいので、複数個あると運搬性はいまいちです。

NX5R入れると、カメラが小さく見える・・・

sachtler Camporter-Small (SC201)

こちらも職場にある。小さすぎて、カメラぎりぎり。アクセサリーあまり入らなくていいから、コンパクトにしたい方向け。
普通に使うならば、Camporter-Mediumでしょうか。

グリップ部の出っ張りで、斜めにしか入りません

NEP SBPH-2A

こちらは上よりも更にコンパクトなケース。カメラと充電器、バッテリー2個がぎりぎり入るくらい。よく使うレンタル屋さんが使っている。
カメラバッグの品質としては、ちょっと安っぽい。

thinkTANK Video Workhorse 19

こちらもレンタル屋さんから来た。sachtlerケースよりも頑丈なソフトケースが欲しい方には良いと思います。thinktank製のケースらしく細かい気配りと丈夫な仕切りが良いです(が、若干融通がきかない気も・・・)。
外装はスーツケースハンドルに通せるようになっていますので、公共機関で遠征の多い方に良いかも?(現在は国内販売はないようです)

SYSTEM5 SCB-200

映像機器販売店のSYSTEM5のケース。こちらもレンタル屋さんから来た。
大きく開くサイドポケットも使いやすいが、ケースの上に物を乗せるのは厳禁(そもそも論として、カメラケースの上に物を・・・というのは置いておいて)。その分ケース自体は軽いです。

https://www.system5.jp/products/detail/68516

他に、良いケースご存じの方居たら、教えて下さい。